「ミッドサマー」観ましたについて

ミッドサマー観てきました。おもしろかったです。劇場を出た観客はみんな笑顔でした。よかったね。

映像がきれいですし、統一した服装とかコミューンとか個人的に好きなんです。白夜の祭りミッドサマーを9日間行うコミューンに、若者が訪れるという物語です。白夜というシチュエーションなので、画面が全体的に明るく、開放的な雰囲気でよかったです。

映画的にはスプラッターです。画面が明るいのでけっこう鮮明ですが、効果音とかでむやみにおどろおどろしくしてないですし、ビックリさせるようなシーンはありませんでした。このコミューンではこれが当たり前だよという感じで写されます。外から来た若者からしたらたまったものではないですが。個人的に受けた視覚的な情報はこんな感じですかね。

 

映像はきれいですが、音の効果で主人公の感情に移入というか、かなり感情がダイレクトに伝わってくるのが苦しかったです。特に冒頭、主人公がむせび泣いているシーンにかぶさっている楽器の音。この映画けっこう音や声を合わせてくるんですよね。息が合うと気持ちいいですよね。楽器の演奏や、共同作業中など相手と呼吸が合いテンポよくリズムや動作が合うと高揚してきます。それをなんだか、プラスとマイナスの方向両方に合わせてきました。観ていると登場人物の感情が増幅されているようで不快なシーンはより不快に、心地よいシーンはより心地よくなりました。

外部からコミューンに訪れた主人公以外の登場人物は全員死んでしまいますが、彼女はすごい体験をして、最終的には気持ちよかったんだろうなと思います。彼女は、妹が家族と心中してしまい失意の内にいました。そのことに彼氏もなんだか共感してくれません。周りに合わせるというか、追いすがるような彼女でした。彼女は祭りの儀式に一緒に参加して、久しく感じていなかった一体感を得たんでしょうね。また、彼女が泣き喚いたときに複数の女性がともに泣いてくれていました。ここでも息を合わせて泣いてました。自分の感情に共感してくれて受け止めてくれる場や人がいると気持ちいいんだろうなと思い見てました。青い空と太陽の光の下で過ごすのも気持ちよさそうでした。

最終的に彼女は自分の意思で選択肢を選びますので、すごい成長ですね。

 

個人的なことなのですが、主人公が自殺した母親と被るところがあって、そこはめちゃくちゃ不快でした。

 

こういう映画は滅多に観られないので、劇場で観てよかったです。