映画「来る」について

何してたの?と聞かれたらどうでしょう。いろいろしてましたが、この前の休日何してた?って聞かれたときにどう答えましょう。いろいろしてましたよ~じゃ、意味ない会話ですね。いろいろが聞きたいんでしょうけど、どう言葉にしてよいやら。意味ある会話が欲しいなら、本読んでましたよとしか言いようがないですけど。最近は休みの日は本読んでる時間が大半を占めるので、よい答えでしょう。でも、本読んでる人が意外と少ないので、僕の周辺では。よって、あまり会話にならないということになり、相手が求めている意味のある会話が成り立たないという事態になります。僕は意味のない会話も好きなので、満足します。僕にとって意味があるので。

 

映画「来る」を観ました。面白かったです。原作は未読です。ツイッターで評判がよく、観ようと思いました。原作は「ぼぎわんが、来る」で、怪異にはぼぎわんという名前がありますが、映画ではこの名前は強調されません。お化けの呼び名である、がんごなどと並べられている感じです。

3部構成になっているのでしょうか。1部はカップルが結婚し、子供ができてその夫が死ぬまで。2部はシングルマザーとなった妻が死ぬまで。3部は霊能者と怪異の戦いです。

1部、2部は胃が痛くなるような人間描写で、これが最後まで続いたら自分の精神が耐えられなくなるくらいきつかったです。怪異の怖さよりも、1部では夫への胸糞悪さ、2部では妻への同情と胸糞悪さが先立ちます。もちろん、恐怖描写も秀逸ですよ。で、最高なのが3部。1部ですでに夫が怪異に立ち向かうため、霊能者を頼ってるのですが、霊能者たちのキャラが濃ゆい。ツイッターでもこの霊能者たちに惹かれている人たちが大半でした。あと、1部、2部の精密すぎる胸糞描写の評判が良かったと思われます。

見どころは3部の、怪異との全面対決でしょうね。神仏、修験、道教民間信仰柴田理恵は東北のカミサマなどがベースなのでしょうね。弓たたいてましたし。サイケデリックに宗教儀式を混合したOPもそうですけど、どうしてここまで祈祷や儀式をかっこよく描けるのでしょうか。1部、2部で胸の奥で停滞していた胸糞が3部でようやく解放されるようでした。気持ちがよくて涙が出るほどです。EDのカーン!!もいい。気持ちよくなりたいなら「来る」はおすすめです。