三津田信三『十二の贄』恒川光太郎『スタープレイヤーⅡ ヘブンメイカー』について

読みました。両者共に好きな作家でして、新刊が発売されたらできるだけ早く手にいれて読んでおります。

 

『十二の贄』、いまいちでした。そもそもこのシリーズはあまり好きではないのです。今回のは特に怖くもなく、おもしろみもなくといった感想です。ミステリーなんですがね、解決する謎の部分が呪術の解明なんですよ。通常のミステリーはトリックとかを見破るのですが、このトリックの大部分を占めているのが呪術なんですね。どんな呪術を使用して殺人を企てたのか!?です。呪術だったらなんでもありになってしまうんで、冷めてしまうんですね。でも、シリーズが出たら買っちゃう買っちゃう。

 

『スタープレイヤーⅡ ヘブンメイカー』、おもしろかったです。まさか続くとは思っていませんでした。1作目もおもしろかったです。10の願いがかなえられるスターボードを手にして、異世界でどう立ち回るのかという話ですね。地球とは違う世界が舞台です。といっても、原住民はまんま人間ですし、それなりに文明があります。地球から飛ばされ、スターボードを手にする人間、スタープレイヤーと呼ばれます、は現代から飛ばされていますので、舞台である異世界に新たな技術などを持ち込みます。スタープレイヤーは複数人存在し、願いを使って地球から勝手に普通の人を呼んだりします。この人たちはスターボードがないので何もできませんね。とてもかわいそう。

スタープレイヤーがどう立ち回っていくのかが見所ですね。文明レベルが原住民よりも上ですし、何でも願いを叶えられるので、簡単に権力をつかめます。とても個人的なことに使用し、根無し草生活をする者もいます。基本的に冒険小説的なので気分高まる作品です。読んだ後の満足感とてもあります。