『サザーン・リーチ』3部作について

読みました。『全滅領域』『監視機構』『世界受容』からなる『サザーン・リーチ』3部作。SFです。おもしろかったです。

 

内容は、ざっくり言います。ある日、<エリアX>という未知の領域が出現。なぜこの領域ができたのか、領域内はどうなっているのかなどの謎は解明されないまま、突如領域は拡大する。最終的な謎の解明と言えば、この領域内は地球ではないということと、地球外生命体の存在によってなされただろうということです。

 

物語は、<エリアX>を理解しようとし、謎を解き明かそうとする登場人物が描かれますが、最終的には理解不能な世界をわからないなりに、わからないまま、個人個人がいかに腑に落とすかが一番重要なポイントなんだろうと思います。

<エリアX>については完全な説明がないまま終わります。登場人物もこの世界の断片しか見えないまま、物語は閉じるんですね。

 

一冊一冊が長く、しかも3巻にわたる小説だったので、読み終わった直後は読んだという達成感しかなかったのですが、徐々にこういうことだったのかな?という感想が浮かんできました。わからないものをわからないまま受け入れるということは大変なことですね。わからないものは恐怖の対象ですから。わからないものを受け入れたところで、その受け入れ方の正誤はだれにもわからないですし。

 

別の話しですけど、『旅のラゴス』も読みました。続けてSFですね。おもしろかったです。